【管理栄養士監修】綺麗な肌になりたい!肌のくすみ対策用の食べ物まとめ
肌のくすみは、いつの間にかやってきますよね。
朝メイクをするとき、夕方メイクを直すとき、ふと鏡を見たらそこには元気のないくすんだ肌の自分の顔が……
肌のくすみは、スキンケアを見直す、くすみをカバーするメイクなど外側からのケアに加え、肌のくすみに効果的な食べ物を摂取する内側からのケア、両方が重要になってきます。
今回は、肌のくすみ対策に効果的な食べ物をたくさんご紹介していきます。
肌のくすみに効果的な食べ物を知って、綺麗な肌を目指しましょう。
もくじ
肌のくすみを改善するには?
肌のくすみが気になる方が目指したい肌の状態は、美白・美肌の状態ですよね。
肌のくすみ対策に効果的な食べ物をご紹介する前に、ここでちょっと2つの言葉についておさらいしておきましょう。
美白
化粧品によく使われるこの「美白」という言葉。純粋に言葉通り受け取れば、「白くて美しい肌」のことですよね。
一般的なイメージはこの「白くて美しい肌」ですが、化粧品に使われている「美白」という言葉には注意が必要です。
「美白」と書いてある化粧品を使えば、肌を白くしたり、シミやそばかすを消したりできる…というわけではありません。
化粧品に「美白」という言葉を表示する場合は、「厚生労働省によって認められた美白有効成分が配合されている」ことを認可された上で、その期待できる効果を併記しなければなりません。
代表的な効果が、「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」です。
この効果の例で言えば「美白」という表現は、メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ(ことができれば、美白だとイメージされる肌に近づく。)
というニュアンスの、かなり限定された表現なんですね。
とは言え、逆に言えば「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」効果は国に承認されているわけなので、「美白」と付いていたら怪しい化粧品だ!というわけでもありません。
美白化粧品を選ぶ際は、どんな効能効果が認められているのかを、パッケージやチラシ等からチェックすることをおすすめします。
「美白」に※印が付いていて、欄外に小さく効能効果を書いてあることが多いです。
参考:日本化粧品工業連合会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」より
美肌
「美白」という言葉に一定の規制がかかるのに対して、「美肌」という言葉は、そのまま「綺麗な肌」というニュアンスで使われることが多い言葉です。
綺麗な肌の定義は人それぞれですが、肌のきめ細やかさ、うるおい、弾力やハリ、見た目の色つやなどが整っている肌が「美肌」と呼ばれます。
綺麗な女優さんやモデルさんのような肌と言えば分かりやすいでしょうか。
美肌は総合的な肌の綺麗さを、美白は肌の白さをイメージさせますね。
その他にも陶器肌、透明感のある肌、ツヤ肌…など色々な言葉がありますが、肌のくすみを改善したい場合、どんな言葉でもいいので、綺麗になった自分の肌をイメージできると楽しくケアできると思います。
くすみを改善して美肌になった自分。くすんだ肌から陶器肌に生まれ変わった自分。未来の美しい自分を想像しながら、楽しく肌のくすみをケアしていきましょう。
食べ物で綺麗な肌を目指すポイント
これを食べれば綺麗な肌になる!という魔法の食材があればいいのですが、残念ながらそんな食べ物はありません。
肌のくすみ対策のために摂りたい食べ物を考える時に重要なのは、肌がくすんで見える原因にアプローチする栄養素です。
肌のくすみの原因は様々あり、人それぞれ違うもの。原因の特定も、知識が無い個人では難しいものです。
そのため、紹介する食べ物の栄養素を少しずつ意識して摂ることが大切です。
紹介する食べ物はどれもポピュラーなものですし、摂りすぎに注意すれば体に悪影響があるものではないので、自分の肌の状態を見ながら、摂り入れやすい食材を選んでいきましょう。
【※編集部注】下記の記事で、顔のくすみ原因別のケアも紹介しています。
肌のくすみにアプローチする栄養素
リコピン
肌のくすみは様々な原因で起こりますが、メラニンの働きによるくすみには「リコピン」が効果的だと言われています。
メラニンの生成には「チロシナーゼ」という酵素が必要になりますが、このチロシナーゼの働きを抑えてくれるのがリコピンです。
チロシナーゼの働きを抑えることができれば、メラニンの生成も必然的に抑えられるので、リコピンがメラニンによるくすみに効果的というわけです。
リコピンの1日の摂取目安量は15mg~20mgです。Lサイズトマト2個分ほどなので、毎日摂るとなると大変です。
そのため、トマトジュースやトマトソースなどから摂るのも良い方法です。
ビタミンC
美容のビタミンとしてもお馴染みのビタミンCも、リコピン同様、メラニン生成に必要な酵素「チロシナーゼ」を抑える働きがあります。
また、体の老化の元となる活性酸素を抑えたり、肌のハリと弾力に欠かせないコラーゲン合成にも一役買っています。
ビタミンCは水溶性ビタミンなので、水に溶ける性質を持っています。そのため、野菜は茹でるとビタミンCが流れてしまいますので、なるべくサラダなど、生のまま食べる、または焼く・蒸す・などの調理をして摂るようにしましょう。
柑橘系の果物と言えばミカンですが、ミカン1個のビタミンCの量は約30~40mgほど。
1日の摂取目安量は100mgとされてるので、その他の野菜などで補う必要があります。
ビタミンE
ビタミンEも肌のくすみ改善には覚えておきたい栄養素です。
ビタミンEは抗酸化作用が強く、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。
体内の細胞膜の酸化による老化は、お肌の老化に繋がるので、抗酸化作用のある栄養素として覚えておきましょう
その他、血流をよくする作用、さらに血流が促進されることで冷えや肩こり、頭痛など、血行不良に由来する症状の緩和作用に期待出来ます。
ビタミンEの1日の摂取目安量は成人女性で6.0㎎、成人男性で6.5㎎です。
アーモンドのビタミンE含有量は高く、約20gで1日分のビタミンEが摂取できる計算になります。
βカロチン
緑黄色野菜に豊富に含まれるβ(ベータ)カロチン。人参に多く入っているというイメージですよね。
βカロチンは、体内で必要に応じて一部がビタミンAに変わり「プロビタミンA」とも呼びます。
ビタミンAは粘膜や皮膚の元になったり、ビタミンEと同様に抗酸化力が強いので、体の老化を防いでくれます。
緑黄色野菜に多く含まれているので、普段の食事に取り入れやすい栄養素です。
※ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、体外に排出されにくいので過剰摂取には気を付けなければいけませんが、その点、βカロテンは、ビタミンAが少ない時にだけ、体内でビタミンAにかわるので、摂りすぎるという心配はありませんよ。
L-システイン
L-システインはアミノ酸の中に属しており、体になくてはならないたんぱく質としてL-シスチンが、体内で活動する際にL-システインとなったアミノ酸で、タンパク質として消費されます。
L-システインは肌のターンオーバーの正常化、代謝のサポート、そして抗酸化作用の働きがあります。
L-システインは、アミノ酸の一種メチオニンからL-シスチンとして合成され、さらに体内でL-システインに分解され、いろいろな成分と合成することにより効果を発揮します。
この、メチオニンは体内で合成されない必須アミノ酸なので、食事や補助食品などから摂取しなければなりません。
メチオニンはWHOによって定められており、体重1kgあたり15mgの摂取目安量です。
カツオ100gあたりにメチオニンは何と約700mgも含まれており、他の魚介類もメチオニンの含有量が多いので、魚介類を食事に取り入れると良いでしょう。
アスタキサンチン
βカロチン、リコピン等と同じ、カロテノイド(天然色素)のアスタキサンチンも、抗酸化作用が強い成分として知られています。
活性酸素による肌の酸化・老化を防ぐ作用があり、肌の老化の一部と考えられる肌のくすみにも効果があるとされています。
赤い魚介類に含まれているアスタキサンチン。効果的な1日の摂取目安量は約6mgとされていますが、臨床試験や論文では12mgが理想とされています。
同じカロテノイドで、緑黄色野菜に多く含まれるルテインが10mgを基準(AREDS2:加齢性眼疾患研究の用量に基づく)にすることが多く10mg以上の用量によって効能が期待できると考えるのが良いかもしれません。
しかし、アスタキサンチンに推奨摂取量は定められていないので目安量として考えてください。
紅サケ1切れで約3mgなので、食べ物から摂ろうとすると中々大変ですが、少し意識して魚介類を多く摂ってみると良いでしょう。
たんぱく質
たんぱく質は肌を作るもとになっており、ビタミン等もこのたんぱく質が無いときちんと働いてくれません。
いわば肌の材料になる栄養素なので、不足すると肌のハリツヤが失われていきます。
アスリートやダイエット中の方は、たんぱく質が多いものを食べることが多いです。
また、様々な食材に含まれているので、比較的摂りやすい栄養素がたんぱく質です。
鉄分
肌のくすみには鉄分も気にしておきたい栄養素です。
女性がおこりやすい貧血は、鉄欠乏性貧血が多く、鉄不足には注意したいところ。
貧血になり、鉄が不足することで、その分、血液の循環が悪くなり、いわゆる血色が悪い状態になってしまうので、鉄分は美容の面でも重要な栄養素です。
鉄分には造血作用があるので、貧血気味の方は特に意識してとりましょう。
セラミド
セラミドというと、保湿をして外部から取り込む化粧品に使われているイメージが強いですが、食べ物からセラミドを摂ることも可能です。
肌のくすみは乾燥によって引き起こされることも多いので、保湿成分のセラミドは積極的に補充したい成分です。
1日に必要なセラミドは約600μgとも言われており、白米だと茶碗25杯分!に相当します。
紹介した栄養素名と多く含まれる食材のまとめ
ご紹介した栄養素名と、その栄養素が多く含まれる食材の一覧表です。
リコピン | ミニトマト・トマト・スイカ・グレープフルーツ・柿・さくらんぼ・赤パプリカ・プラム等 |
ビタミンC | かんきつ類・いちご・ジャガイモ・アセロラ・ケール・パセリ等 |
ビタミンE | アーモンド等のナッツ類・ウナギ・大豆・緑黄色野菜・アボカド・かぼちゃ等 |
βカロチン | 人参・ほうれん草・かぼちゃ・モロヘイヤ・パセリ・バジル・豆苗等 |
L-システイン | カツオ・イワシ・サーモン・ひき肉・ナッツ類・牛乳・チーズ等 |
アスタキサンチン | サケ・サクラエビ・イクラ・スジコ等 |
たんぱく質 | 赤身の肉・ささみ・卵・納豆・豆腐・牛乳等 |
鉄分 | カツオ・レバー・ほうれん草・アサリ・大豆・乳製品等 |
セラミド | こんにゃく芋・小麦・大豆・米・黒豆・ひじき・そば等 |
逆に肌のくすみの原因になり得る食べ物は?
ここまで肌のくすみに効果的だとされる栄養素について見てきましたが、逆に肌のくすみを引き起こしてしまう食べ物にはどんなものがあるのでしょうか?
糖質を含んだ食べ物
過剰に糖質を摂取すると、消費できずに余った糖質とタンパク質が混ざり合い、黄ぐすみの原因となる「AGEs(エージス)」という物質を作り出すことがあります。
あくまで過剰な摂取が原因で、普通に摂っている分には大丈夫です。
甘いものや炭水化物を食べすぎている方は気を付けましょう。
カフェイン
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには、皮膚のメラニンを拡散させて色素沈着を促す働きがあると言われています。
色素沈着が進行すれば、なかなか消えないシミになってしまいます。
アルコール
アルコールは肝臓で分解され、アセトアルデヒドというものを生じます。
このアセトアルデヒドは毒性の高いもので、肝臓の細胞に作用して、活性酸素を生み出します。
活性酸素は肌トラブルを運んでくる原因になるので、アルコールの摂りすぎには気を付けましょう。
くすみ改善を目指すお手軽レシピ
トマトとアボカドのわさび醤油
トマトはリコピン、アボカドはビタミンEを豊富に含む食材です。切ってあえるだけなのでとっても簡単ですよ。
リコピンは脂肪と一緒に摂ることで吸収率があがるので、脂溶性ビタミンEを含むアボカドとの組み合わせは、おすすめです。
材料(2人分)
- アボカド…1個
- トマト…1個
- しょうゆ…小さじ2
- わさび…お好みの量で
作り方
- アボカドの皮をむいて1cm角に切る。
- トマトを乱切りにする。
- しょうゆとわさびを入れて混ぜる。
普段の食事に取り入れやすい“組み合わせ”
お酒を飲まれる方は、おつまみに枝豆をチョイスするのをおすすめします。
枝豆に含まれているメチオニンという必須アミノ酸のひとつが肝機能を高め、アルコールによる肝臓への負担を軽減してくれます。
また、よくある組み合わせですが、納豆にネギをいれるのも良いです。
納豆には、ビタミンCが余り含まれていないので、ねぎを組み合わせることでビタミンCを補う事が出来ます。
美味しいだけでなく、栄養面でも良い組み合わせです。
シミを消す食べ物はある!?
肌のくすみと同じく気になるのが「シミ」ですよね。
シミは、くすみと同じくメラニン色素が大量に作られ、色素沈着して出来るものなので、同様に、メラニン生成に必要な酵素「チロシナーゼ」を抑えるのがシミ対策にも有効です。
また、紹介したリコピンやビタミンCの他に、ポリフェノールの一種、エラグ酸も注目されている成分です。
女性が好きな食べ物に多く含まれているので、摂取しやすい成分ですね。
もしあなたが喫煙している場合、煙草が肌のくすみの原因になっている可能性も考えられます。煙草を吸うと、ビタミンC不足や活性酸素量の増加の他、肌にとって悪い影響がたくさんあるので、肌のことを考えれば禁煙すべきでしょう。
肌のくすみが気にならない毎日を…
今、肌のくすみが気になって仕方ないかもしれませんが、気になるからこそ対策をしようと思えますよね。
スキンケアを入念にして、食べ物にも気を遣って…と、くすみ対策でやらなければいけないことに目を向けると大変ですが、肌のくすみが気にならない毎日が来るとしたらどうでしょう?
ふと鏡を見たら、美肌な自分がいる未来を想像してみて下さい。
まとめ
肌のくすみを食べ物から改善したい場合、ご紹介した栄養素を意識して、普段の食事に取り入れてみて下さい。
全ての栄養素を万弁なく摂ることは、難しいことですが、普段の食生活に、ぜひご紹介した食材を意識して加えてみてください。
この記事の監修
深野 真季子
管理栄養士、フードスペシャリスト、食と健康クリエイター、ミスブライダルモデル北海道ファイナリスト
北海道札幌市出身。食のお医者さんを目指し、藤女子大学食物栄養学科を卒業。
栄養学を専門に学び、清涼飲料・食品会社で勤務した後、現在では、第7の栄養素として注目される遺伝子の原料「核酸」が持つさまざまな生理機能について勉強をしながら、遺伝子レベルからの健康づくりに役立てる様、啓蒙普及活動を行っている。
監修者の著書