共依存カップルはヤマアラシのジレンマ?克服した私の体験談
「こんなダメ男、私じゃなきゃやっていけない」と思っている人はいませんか?
本当は心がボロボロなのに、そう自分に言い聞かせてはいませんか?
お互いに傷つけ合っても関係が成立してしまう状態を、「共依存」といいます。
共依存の関係は、取り返しのつかない事態を引き起こすキケンな関係です。
今回はこの「共依存」の関係について、心理学の「ヤマアラシのジレンマ」という用語を交えながら、詳しく解説していきます。
私の共依存の実体験も踏まえ、辛かったからこそ分かった「自分らしく生きる方法」をあなたにお伝えします。
もくじ
筆者も経験! 離れたくても離れられない共依存のキケンな関係
ヤマアラシのジレンマとは?
ヤマアラシのジレンマとは心理学で用いられる用語です。
哲学者ショーペンハウアー氏による寓話(ぐうわ)が由来になっています。
- 社会の中で一個人として自立すること
- 社会の中で相手と共存すること
この2つの心の葛藤を描いています。
とある寒い日、ヤマアラシのつがいは寒さをしのぐためお互いに身を寄せ合いました。
しかし、ヤマアラシにはトゲがあるので、相手を傷つけ合ってしまいます。
そこで2匹は寒くもなく、痛くもない “ちょうどよい距離” を見つけたというお話です。
このヤマアラシのジレンマが、危険な共依存の関係を紐解くカギになります。
恋愛関係に当てはめて言えば、お互いを傷つけ合うほど近すぎず、かといって無関心なほど遠すぎてしまわないよう、お互いが心地よく、自分らしくいることができる距離を保つことが大切だということです。
「私がいなきゃ彼はダメなの。」カップルの隠れ共依存に注意!
実は私も、彼と共依存の関係だったことがあります。
それに気づくのに10年かかりました。
気づくのが遅くなってしまった理由は、共依存という関係が危険なことを知らなかったからです。
共依存とは、お互いが過剰に依存し合って「自分」が成り立っている状態です。
ヤマアラシのジレンマでいえば、お互いに針が当たって痛いのに、なんとか寒さはしのげるから過剰に接近してしまうような状態です。
こんな状態でも、傷が目に見えるものだったら手当てできますよね。ヤマアラシがお互いに近づきすぎて怪我をしていたら、引き離して手当てをすればいいわけです。
でも、人間が心に傷を負った場合はどうでしょう。
共依存の関係は、ヤマアラシのような肉体的な傷付け合いだけではなく、精神的にお互いを傷つけ合ってしまう“隠れ共依存”に注意が必要です。
それぞれわかりやすく例をあげて紐解いていきましょう。
共依存と隠れ共依存
目に見えてわかる共依存の場合、相手を肉体的に傷つけ合ってまでも、関係を続けることがあります。
相手を過剰に束縛することや、相手にDVを受けていても別れないカップルがいますよね。
特にわかりやすいのが、彼が支配者であり、私がいいなりになってしまっている例です。
彼は暴力を振るうことで私に対して支配する感覚を得ています。
そして私は、かわいそうな自分を誰かに相談し、同情してもらうことで快感を得ています。
このようなカップルは周りが説得してもなかなか離れる決断をしません。
例え傷つけ合っていても、「相手がいないと自分が存在しなくなってしまう…」という恐怖に襲われてしまうからです。
この場合は、目に見えてわかる共依存だから気付きやすいですよね。
次に、特に注意したい「隠れ共依存」について、体験談を交えてお話をしていきます。
筆者の体験談「隠れ共依存」
彼は、とても頼りになるお兄さんのような存在でした。
話していることや行動が周りよりも心強く感じるようになり、魅力を感じていました。
でも、カップルになってからは、少しずつ変化をしていきます。
私の直してほしいところを指摘すると、直るまで一切口をきかなくなります。私は一生懸命期待に応えられるように直します。
それでも次々に直してほしいところを要求するようになり、いつしか私は「そんな完璧な人いるのかな」と思うようになりました。
精神的に参ってしまうほど、彼の理想の女性になろうとしましたが、いくら頑張っても認めてもらえませんでした。
一見、どこが共依存なのかわからないですよね。
しいていえば、私の方は彼に依存しているように見えます。しかし、実は強く依存していたのは彼の方なのです。
彼は、自分が支配してるような感覚を得たかったのです。自分に自信がないから、私をけなすことで、自分を優位に立たせたかったのです。
強い言葉を並べていたのは自分に自信がないからだったんですよね。
このように、肉体的な傷付け合いが無く、お互いに依存していることが目に見えてわからない共依存が「隠れ共依存」です。
隠れ共依存の場合、私のように気付くのに時間がかかってしまいます。
どちらの共依存でも、「私じゃなきゃ彼はやっていけない」と感じる人が多いようです。
私もその1人でした。
でも、本当は無理をしていませんか?
私は結果として健康を害するほどになってしまいましたが、そうならないためには、ヤマアラシのジレンマの例でお伝えしたように、“心地よくちょうどよい距離”を保つことが大切です。
危険な関係に気づくことから新たな一歩が始まる
彼と自分との関係に不安を持っていて、「この関係はおかしい…」と自分で気づけているなら、あなたは幸せになるカギを持っています。
自分が無理をして辛いなら、幸せになるカギを持って、幸せへのドアを開けましょう
共依存を断ち切るのは簡単なことではありません。
周りからは「そんな状態なら別れればいいのに」と簡単に言われてしまうかもしれませんが、共依存を断ち切ることは、とてもとても苦しくて辛いことなんです。
でも、大丈夫。
私と一緒に、ドアを開ける「勇気」を少しずつ積み重ねていきましょう。
自分に自信をもって輝く人生を送ろう
相手に依存しているのは、自分に自信がないからではないでしょうか。
私は人間である以上、誰かに頼ることは決して悪いことではないと思います。
依存もしていてよいと思います。
危険なのは、自分を犠牲にしてまで関係を続けていることです。
彼も大切だと思います。
でも、もっと自分を大切にしてください。
私は、共依存の彼との関係を断ち切る選択をするまでに10年かかりました。
そして、答えを出すまではとても苦しく、毎日泣いて過ごしていました。
経験をした私が言えることは、答えを出せる時が必ず来るということです。
それまでは大変な苦労をすると思いますが、一歩踏み出すことができたあなたの未来は輝きに満ちています。
そんな輝きに満ちた自分に出会うために、ぜひ取り組んでいただきたいのが、「メタ認知」という方法です
自分らしく生きる〜メタ認知のすすめ〜
共依存から抜け出すためには、自分に自信をもつことがカギになってきます。
自信をもつためには、誰かに認められることが必要です。
人間には、食べたり、寝たり、生きていくための「生理的な欲求」があります。
生理的な欲求が満たされると、次に誰かに認めてもらいたい「承認の欲求」が現れます。
承認の欲求が満たされると、最終的には “自分はこうなりたい” という「自己実現の欲求」が現れ、自信に満ちた自分に出会えます。
ここで重要なのは「承認の欲求」です。
誰かに認めてもらう「承認の欲求」がなければ、こうなりたいという「自己実現の欲求」が生まれず、希望が見いだせなくなってしまうのです。
承認の欲求を満たすには?
お互いがお互いにちゃんと承認されていれば…つまり、お互いにやさしく思い合える関係なら、承認の欲求は満たされます。
でも、これは共依存の関係では難しいことですよね。
そこでおすすめなのが、相手に過剰に依存しなくても、自分で自信を持って生きていくためのトレーニング「メタ認知」です。
メタ認知とは、もう1人の自分を作り出すことをいいます。
もう1人の自分が、今の自分を客観的に見てセルフトークをしているような状態を作り上げます。
つまり、自分を自分自身で認めてあげる作業です。
簡単なメタ認知の方法は、毎日鏡をみることです。
鏡に映っている自分をみて、「今日もお疲れ様」「いつもありがとう」などと声かけてみてください。
声を出すのが恥ずかしいようであれば、心の中で語りかけてみてください。
私もふと気付いた時に鏡を見てみました。
すると、「私ってこんなに辛い顔をしていたのかな」と思うようになりました。
それからは、どんなに泣いてひどい顔をしていても、自分を褒めてあげる作業を繰り返しました。
いつしか、「なんとなく輝いてきたかな」と自分に自信を持てるようになっていました。
自信を持てるようになったのはメタ認知のトレーニングだけでなく、自分の感情に素直になり、納得のいくまでとことん彼と向き合ったからだと思います。
そして、答えを出すことができました。
答えを出すまでにはどんなに時間を費やしてもよいと思います。
これは自分一人で、部屋の中で、今すぐにでもできることです。
後悔のないよう、自分と、自分の感情に向き合ってみてください。
まとめ
共依存の危険な関係は、気付くことから新たな一歩が始まります。
共依存の関係を断ち切ることはとても勇気のいることだとは思いますが、必ず答えが出る時がきます。
自分らしく生きることができるよう、まずは自分を認めてあげてください。
きっと、ドアを開けることができるはずです。