40代女性の結婚は厳しい?41歳で結婚した子持ち女性に聞く
40代女性の結婚は厳しいと言われますが、さて実際のところはどうなんでしょうか?
今回は、41歳でご結婚、44歳で自然妊娠・出産を経験され、現在は3歳のお子さんを子育て中の「ARA」さんにお話を伺ってきました。
結婚を諦めた方がいいのかどうか迷っている女性に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
まずはARAさんの結婚にまつわる半生を簡単にご紹介…
25歳の時に結婚を断念した後、数々の婚活経験を経て41歳でご結婚されたARAさん。
現在は旦那さんと息子さんの3人で幸せな生活を送っていますが、ここに来るまではどんなご経験をされたのでしょう?お話を伺ってみたいと思います。
【聞き手】児玉(きれかちゃん運営者)
【語り手】ARAさん
もくじ
41歳で結婚・44歳で自然出産…ARAさんの現在の生活
【児玉】まずはARAさんの現在の生活の様子を簡単に教えていただけますか?
【ARA】今は専業主婦ですので、平日は家事をやりつつ、息子と一緒に買い物をしたり公園で遊んだりという感じです。
【児玉】休日の過ごし方はどうでしょうか?
【ARA】休日は基本的にはおでかけ日で、家族3人で買い物や、近くのショッピングモールの幼児イベントに行ったりしています。たまに遠出することもあります。
【児玉】仲睦まじいご家族という感じですね^^
単刀直入!40代女性の結婚は厳しいと思う?
【児玉】41歳で結婚されたARAさんに、本記事のテーマをズバッと伺います。40代女性の結婚は厳しいと思いますか?
【ARA】厳しいと言えば厳しいのですが、考え方でかなり違うと思います。
【児玉】考え方…と言いますと?
【ARA】男女関係なく40代の独身者はいますので、結婚相手がいないわけではありません。ただ、子供をもちたいかどうかが大きいです。
【児玉】子供が欲しい場合は、結婚が難しくなるということでしょうか?
【ARA】子供が欲しいと思えば、やはり相手に求めるハードルは上がります。私はいい条件の男性を探していました。遺伝的に身長は高い方がいい、社会的地位や収入とかですね。そこから考えると私は、身近な人たちが羨む、素晴らしい結婚をしたかったのでしょう。子供もそうですが、理想の結婚にこだわって結婚が難しくなったのかな…と思います。
【児玉】理想の結婚にこだわらなくなったのは、どういった心境の変化があったのでしょうか?
【ARA】40歳を超えた時点で年齢的な問題も含め、それまで強く望んでいた子供がほしいという願望は薄れてしまいました。子供を持たないなら、穏やかに一緒に暮らしていける人であれば可なのだと思うようになったのは、大きな変化だったような気がします。
【児玉】子供を持ちたい願望が薄れたことで、理想的な結婚、理想的な家族にこだわらなくても良いと思えるようになったということですね。
【ARA】自分のためのみの結婚をシンプルに考えたのだと思います。
【児玉】素敵な夫と子供がいて…という、理想的な結婚にこだわらなくなったARAさんが、現在は旦那さんと3歳の息子さんと一緒に、いわば理想的な結婚生活を実現されているのは、何とも感慨深いお話です。
40代女性の結婚の確率は?
ここで結婚の確率のお話です。
例えば、「40代で独身だと、5年後に結婚できる確率は○%!」のような話を聞くことがあると思います。
データとしてよく出されるのが、5年ごとに行われる国勢調査の未婚者数の推移です。
例えば、40歳女性の未婚者数と、5年後の調査結果の45歳女性の未婚者数を比較して、結婚の確率を割り出す方法。
- 2010年:40歳女性未婚者数=175,304人
- 2015年:45歳女性未婚者数=158,194人
この例だと、40歳女性が45歳までに結婚する確率は約9.7%になります。
ただしこういった数値は、「本人に結婚したい意思があったか?」「結婚を考えられる状況だったか?」…までは考慮されていません。
結婚願望が全く無い方、病気などで結婚を考えられない方、またはパートナーはいるけれど婚姻届は出していない等、年齢が上がるほど様々な事情を抱えている方がたくさんいるということは、想像に難くないでしょう。
結婚にまつわる数字は、あくまで参考程度に留めておくのが良いと思います。
※出典:総務省統計局 統計データ「平成22年国勢調査」/「平成27年国勢調査」より
どんな婚活してた?がむしゃらに婚活していた時期のこと
【児玉】25歳で結婚を断念した後、がむしゃらに婚活していた時期のことについて教えていただけますか?
【ARA】親の反対を押しのけて結婚をするという決断が、私にはできませんでした。親の気持ちも私なりに理解していましたが、自分の心の整理をするにはとても時間がかかりました。
【児玉】それでも婚活をしようと思った理由は何だったんでしょう?
【ARA】親から反対されない人を選べば、苦しまずに結婚できると考えてしまって、そこから暴走したのでしょうね。親にぎゃふんと言わせたかったのか、絶対に結婚相手は自分で探してみせると心に誓ってしまい、親が勧める見合いは全くしませんでした。
【児玉】具体的にはどのような婚活をされていましたか?
【ARA】結婚相談所には大変お世話になりました。精神安定剤のような存在になっていたような気がします。色々な相談所に登録をし、いくらつぎ込んだでしょうか、活発だったのは34歳くらいまででしたね。
【児玉】結婚相談所の婚活の内容を伺ってみたいです。
【ARA】20代の頃は、多いときで週末の2日間で1日2~3回くらい紹介をしていただいていたときもありました。次から次へとチャンスが訪れる状況に慣れてしまい、条件ばかりにとらわれて相手の人間性を見ていなかったという情けない状況でした。
【児玉】30代に入って何か変化はありましたか?
【ARA】30歳を過ぎると、自分を好んでくれるタイプ、反対に自分を受け入れてくれないタイプを、プロフィールと写真でおおよそ判断できるようになりました。でも、私を受け入れてくれなさそうなタイプの人を、私は希望していたような気がします。
【児玉】ARAさんを受け入れてくれるタイプの方は、ARAさんにとっても良い方のようにも思えますが…
【ARA】「私が思う親が望む結婚相手=自分の理想の結婚相手」というのがありました。私が思う親が望む結婚相手は、私を受け入れてくれなさそうなタイプだったんです。
【児玉】「自分自身が良いと思える相手かどうか?」よりも、「親が望む相手かどうか?」が判断の基準になっていて、しかも親が望む相手はARAさんを受け入れてくれなさそうなタイプだった…と。
【ARA】希望している相手は私を選ばないという現実を受け入れるのは、さみしいものでした。
【児玉】自分は本当はどういう相手を望んでいるのか?…シンプルなようで、なかなか自分では気づきにくいポイントかもしれませんね。
高望み・勘違い・痛い…ヒドイ言われ方をする40代女性について
【児玉】ネット上では、40代女性の婚活は高望みや勘違いが多い等という風潮があります。40代で結婚したARAさんは率直にどう思われますか?
【ARA】若い頃の感覚が抜けきれないということはあるのではないでしょうか。
【児玉】ARAさんも、婚活中はそういった感覚があったりしましたか?
【ARA】私もその良き過去が年齢を重ねても続いているというか、そうであってほしいと願っていた感じは否めませんでした。高齢の独身者はいわくつきの『残り者』だと自分を否定しつつも、私は高いステータスを保ったまま40代を迎えた一人のはずと心のどこかでこっそりと思っていたりしていたような気がします。それが勘違いというのかもしれません。
【児玉】自分も高齢の独身者ですので、何ともドキっとさせられるご指摘です…汗
【ARA】それともう一つ、私はもしかしたら重大な勘違いをしていたかもしれません。
【児玉】重大な勘違い…?
【ARA】そもそも身近な私の周りの人たちは、私にそんなに過大な期待はしていなかったのではないか?と、結婚が決まったとき気づきました。
【児玉】ものすごく興味深いお話です。
【ARA】両親に確認をしていないので真相はわかりかねますが、両親が求める人物を私が勝手に想像し、そんな人物を自分の結婚相手にしなくてはならないと思い込み、突っ走っていただけだったのだと今は感じます。
【児玉】そのことに早く気づいていたら、何か変わっていたかもしれないと思いますか?
【ARA】私の過去を振り返れば、数回結婚のチャンスはありました。そのときもし踏み切っていたら、違う人生があったかもしれません。
【児玉】もう少し楽な気持ちで婚活もできたかもしれませんね。
【ARA】肩肘張らずに気楽に人生を送れるだけの器量が私にあれば、もっと楽しい人生を送れていたかもしれませんが、過去は過去ですから後悔はしていません。
【児玉】そう言い切れるARAさんはすごいです。そういった自分自身では気づきにくい考え方に、早めに気づけるようなサポートがあるといいかもしれませんね。
41歳で結婚できた理由
【児玉】ARAさんが結婚できた理由は何だと思いますか?
【ARA】率直に言えば、主人との出会いです。
【児玉】ご主人との出会いについて、詳しく教えていだきたいです。
【ARA】主人との出会いは、こてこての昔ながらのお見合いです。疎遠になっていたお見合いおばさんから、何年かぶりに電話をいただいて紹介されたのが主人でした。「どうせまた駄目なんでしょ」と、期待せずに気楽に会うことにしました。私は恋愛をしたかったわけではなかったので結構冷静だったのか、とりあえず付き合ってみよう、いつも通りダメになってもいいからという考えて、お付き合いを始めました。
【児玉】かなり肩の力が抜けているような印象です。気負いのない、素の自分でお見合いに臨むことで、冷静な判断ができたのかもしれませんね。
【ARA】彼と結婚をすれば、きっと無難な生涯になるだろうという未来は予想できました。その時までできていなかった正常な私自身のための私の判断が、やっとできたのだと思います。
【児玉】「無難」というのは、決して悪いことではないですよね。付き合い始めてからは、どういった流れで結婚に至りましたか?
【ARA】半年お付き合いしても進展がなく、なんとなく緩く楽しんでいると、紹介をしてくださったおばさんがグイグイっと押していただいたおかげで結婚にいたりました。ここはお見合いおばさんのいいところですね(笑)
【児玉】時にはグイグイ行く押しの強さも必要ですね(笑)
妊活と自然妊娠までのこと
【児玉】妊活について気になっている読者様も多くいらっしゃいます。お答えできる範囲で構いませんので、自然妊娠するまでのことを伺いたいです。
【ARA】私は結婚できたことで満足していて、子供までは望まないと思っていました。しかし、主人の気持ちは違っていたようでした。
【児玉】ご主人は子供が欲しかったということですね。
【ARA】主人からその話を聞いて納得し、私も子供が欲しいと思うようになりました。ただ、婦人科で相談してみると、加齢の問題もあったのですが、極端に卵子の数が少ないという診断でした。
【児玉】子供を作るには、万全な状態ではなかった…と。
【ARA】専門の病院に行くように言われ、主人と2件ほど病院をまわり、通院する病院を決めました。
【児玉】そこから本格的に妊活が始まったんですね。
【ARA】しかし、いざ始めると大変でした。その頃仕事は今までにないくらいの忙しさ、なれない共働きの新婚生活。その中で子宮のタイミングを見ながらの妊活ですので、夜中に注射を打ちに行ったり、卵子の採取の日程が急遽決まったりで、肉体的にも精神的にも正常ではいられませんでした。
【児玉】とっても大変そう…という言葉では足りないですね…
【ARA】会社には正直に話をしていたのですが、妊活を開始して2.3ヶ月後でしょうか、私と年齢が変わらない上司から、「いつまでやるつもり?」と言われました。朝遅れてきた分、こちらは菓子パン片手に昼休憩を返上して働き、残業時間もつけずにがんばっていたのですが…
【児玉】それは辛いですね…。そんな中で、妊活自体も上手くいっていなかったと。
【ARA】体外受精に挑戦しており最初はなんとかお腹に卵をいれるところまではいっていたのですが、次第に卵の質が悪くなり、せっかく採取してもお腹に入れる前に数少ない卵は息絶えるようになりました。最後の卵子の採取の時、麻酔から覚め朦朧とする中、私は叫んでいました。「どうしてこんな思いをしないといけないのよ」って。目の前にいた看護師さんがびっくりしていました。
【児玉】頭では必要なことだと分かっていても、なかなか割り切れるものではありませんよね…
【ARA】今度こそは妊娠できているかもと期待しながらも流れていく卵たち、会社の上司の言葉、激務の中での会社への後ろめたさ、多額の出費、全てが大きな負担となっていました。さらに当時、私たちは家を購入し、大きなお金を費やしました。妊活のためのお金もなくなり、半年におよぶ産婦人科通いを終了させました。
【児玉】精神的にも肉体的にも金銭的にも、厳しい状況だったというのが伝わってきます。
【ARA】私は43歳になったばかりでしたが、もう無理であろうと主人とも話をし、お互いが納得した上での悲しい決断でした。
【児玉】そうせざるを得ない状況だと思います…。
【ARA】それから半年後、仕事は派遣社員さんが入ってくれたおかげでとても楽しくなりました。
【児玉】仕事のストレスが軽減されたのは良かったですね。
【ARA】その頃、後輩が結婚すると言うことで結婚式に招待してくれて、楽しみでウキウキしていました。着物はどこでレンタルしようかな~とか。
【児玉】妊活という大きな荷物を下ろしたことで、本来の自分が戻ってきたのかも…?
【ARA】ちょっとしたことでもすぐ楽しくなる私の単純な性格がよかったのでしょう。後輩の結婚式があった2週間後、妊娠が発覚しました。
【児玉】プレッシャーやストレスが無い状態が体に良かったのかもしれませんね。妊娠が発覚した時の気持ちはいかがでしたか?
【ARA】それは、この上もなく嬉しかったです。そもそも嬉しくて涙が出るという経験をした過去がなかった私が、検査薬を見た瞬間に涙を流しました。
【児玉】……嬉しさ以上の思いが伝わってきます。
【ARA】会社のトイレの中だったので、忍んで泣いていました。今でもその検査薬は保管しています。
【児玉】たくさんの思いが詰まった検査薬ですね。
結婚・出産後の生活の支えは?
【児玉】ずばり、結婚してよかったですか?
【ARA】良かったです。結婚したかったのですから、良かったです。ただ、私には訪れることのない未来のはずだったものが現実になっていることは不思議ですね。
【児玉】ご主人にはどんな思いがありますか?
【ARA】かつて求めていた私の理想の結婚相手とは彼は真逆ですが、派手さを求めず、堅実な今の主人は、私にとってはとてもいい旦那様です。
【児玉】お子さんに対してはどんな思いがありますか?
【ARA】子供は、やんちゃすぎて大変ですが、可愛いです。主人にはチューしませんが、子供の頬にはベタベタしています(笑)
【児玉】幸せそうですね~^^
【ARA】一点の曇りがない大恋愛を息子としているような気がするのですが、所詮息子、ゆくゆくは「うるせ~くそばばあ」と言うんだなと今から心の準備もしています。
【児玉】お仕事は退職されたと聞きました。
【ARA】激務のため家庭との両立は困難と判断し、出産直前に退職しました。それについては本当にそれで良かったのかどうかは、未だ持ってわかりません。
【児玉】もっとずっと先に、わかることなのかもしれませんね。
【ARA】子供が成人になる頃、私たち夫婦は老人です。死ぬまで現役、そう簡単に死んでなんかいられません。元気で長生き!バイタリティを維持していきます。
【児玉】とっても力強いお言葉です!
結婚したい40代女性へのメッセージ
【児玉】最後に、結婚したい40代女性にメッセージをお願いしたいと思います。
【ARA】私は30代中頃から、自分から腕を振り回して人生を切り開こうとする考えが徐々に薄れていきました。無駄、疲れるという感情がきっかけだったのだとは思いますが、逆にそれで良かったと思います。
【児玉】無駄…疲れる…というのは、一般的にはネガティブな感情とされていますが、逆にそれで良かったと。
【ARA】時の流れに任せるのです。チャンスはどんぶらこと流れてくれば、興味本位で触ってみて、それから掴めばいいのです。
【児玉】ARAさんがまさにそうでしたもんね。
【ARA】高望み、大いに結構、否定する必要はありません。ただ、自分にすんなりと馴染む相手が理想のタイプと違う可能性はあります。そんな人に出会ったとき、気づくことがあるのではないでしょうか。あくまでもそれは妥協ではありません。
【児玉】馴染む相手というのは、大きなポイントのような気がしますね。
【ARA】無難だけどパンチがない人だな……それが私の主人の最初の印象です。だけど結婚してみて、好みではなかった主人の顔も低い身長も、合格ラインに入りました(笑) 感情は変わるんです。
【児玉】印象が変わることなんて、たくさんありますよね。それを待っていられなくなるくらい、年齢を重ねると焦りが出てくるのかもしれませんが…
【ARA】約40年積み重ねた心身が受け入れるものは漢方薬のようなものというだけです。
【児玉】漢方薬…とは?
【ARA】即効性はないけど、ジワジワといい感じになるということです。
【児玉】なるほど。ジワジワと。
【ARA】年齢は関係なくチャンスはあります。大丈夫です、あなたに馴染む人は必ずいます。
【児玉】条件よりも、自分に馴染むかどうか?という視点を持って婚活するのも良いのかもしれませんね。ARAさん、どうもありがとうございました!
まとめ:自分の結婚観を成長させる
ARAさんの息子さんは2020年の4月から幼稚園に入園するそうです。
やんちゃな息子さんがどう成長していくのかを楽しみにしていらっしゃいます。
このインタビュー中、「成長」というものを意識させられました。
がむしゃらに頑張ることも大切だけど、立ち止まって自分の結婚観を考えてみること。
- 理想的な結婚を追い求めているだけではないか?
- 分かりやすい結果だけを求めてはいないか?
- 誰かの期待に応えようとして、自分自身の思いを疎かにしていないか?
そんなことをチェックして、自身の行動につなげることも、成長のひとつなのかと思いました。
40代で結婚できるかどうか?厳しいかどうか?
どうしても気になるところではありますが、ARAさんのように結婚・出産を経験された幸せもあれば、独身でも自分自身を楽しむ幸せもあるでしょう。
「結婚すること」だけが幸せの基準になっていないかどうか?
独身で結婚したいと思っている方は、一度立ち止まって考えてみる必要があるのではないでしょうか。